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規制緩和への取組み/H16.11.29共同要望書

京浜臨海部の再編整備の
推進に関する要望書
平成16年11月
神 奈 川 県 横 浜 市 川 崎 市

京浜臨海部の再編整備の推進に関する要望書

 京浜臨海部は、重化学工業等を中心とした産業集積ゾーンとして、長く日本経済を牽引してまいりましたが、産業構造の転換に伴う生産機能の移転などにより、産業活力は著しく停滞し、首都圏のみならず日本経済低迷の原因の一つになっております。

 しかしながら一方で、京浜臨海部は背後に首都圏の大消費地を抱え、高速道路などの交通網、横浜港、川崎港のような国際的港湾機能、さらには、蓄積された技術・人材・資本など、産業活動にとって優位な条件を有しており、これらの諸条件を活かしながら、既存産業の高度化や新時代にふさわしい新たな産業の創出などにより、首都圏はもとより日本経済の活性化と雇用の創出を進め、国際的な活力あふれる産業拠点として再生を図ることが急務となっております。

 神奈川県、横浜市、川崎市の三団体では、平成8年以来、京浜臨海部再編整備に向けた取組みを協調と連携の下に進めてきたところでございますが、平成12年1月の運輸政策審議会における「東海道貨物支線の旅客線化」の答申路線としての位置づけ、平成14年7月の工業等制限法の廃止、同月の東京湾臨海部における基幹的広域防災拠点として京浜臨海部に具体的な整備箇所が決定したこと、さらには平成15年6月に京浜臨海都市再生予定地域協議会でとりまとめがなされるなど、国による都市再生を見据えた種々の施策展開により、京浜臨海部の産業の活性化と新たなまちづくりは、具体化の段階に入ったものと受け止めております。

 三団体では、このような国の施策を踏まえ、平成15年6月に「京浜臨海部再生会議」を設置し、地元経済・労働団体等の代表とともに具体的な活性化方策を検討してまいりました。再生会議では、(1)高度技術産業再生、(2)神奈川口・交通基盤整備、(3)アミューズメント機能の導入の3つのテーマについて検討を進め、8月には、「京浜臨海部の再生に向けて」と題して、今後の具体的な取組方策を提言いたしました。また、この間、平成15年12月には、再生会議として、羽田空港の再拡張・国際化を踏まえ、交通アクセスを整備し、羽田側と連携したまちづくりを図る「神奈川口構想」を国に提案した結果、平成16年2月には、「神奈川口構想に関する協議会」が設けられ、構想の実現に向けた検討が国とともに進められているところです。

 三団体では、国際競争力のある産業の維持・発展の拠点として、国内はもとより国際的な貢献をも目指し、京浜臨海部の潜在的な可能性を十分に活かした再編整備に引き続き取り組んでまいります。

 国におかれましては、依然として厳しい地域経済と地域雇用に加え、地方財政の窮状を十分に理解され、次の点に関して、御配慮くださるよう要望いたします。


1 羽田空港の一層の機能強化
(国土交通省)

 羽田空港は、京浜臨海部の活性化のみならず、首都圏全体の国際競争力強化のために非常に重要な役割を担っており、国際化時代に対応した利用者にとって使いやすい空港としていく必要があります。現在、国においては2009年の供用開始を目標に、羽田空港の再拡張事業が進められていますが、事業を実施するにあたっては、航空利便性、周辺環境への影響や、安全対策などに留意しつつ、次のことについて、特段の御配慮をお願いいたします。

  1. 羽田空港の再拡張の推進に当たっては、早朝夜間における、就航便の増や空港との交通手段確保を図るなど、国際化・24時間化を一層推進すること
  2. 再拡張後の国際線の発着回数は、現在、3万回と想定されているが、空港利用者のニーズを踏まえ、十分な国際線の発着回数や就航路線を確保すること。
  3. 首都高速湾岸線(横浜市内〜空港中央)の通行料金割引の継続的実施や、水上交通の実現など、神奈川方面からの空港アクセス改善に向けて積極的な取組みを推進すること

2 神奈川口構想の実現
(国土交通省)

 羽田空港の再拡張・国際化に伴い、新たに生じる人・物・情報の流れを神奈川側に誘導し、京浜臨海部の活性化に結びつけるため「神奈川口構想に関する協議会」を中心に、構想の実現に向けた検討が国とともに進められているところです。この取組みを確実に京浜臨海部の再編整備に結びつけるために、次のことについて、特段の御配慮をお願いいたします。

  1. 神奈川側への空港関連機能や臨空産業の集積を促進すること
  2. 神奈川方面から羽田空港への連絡路の整備や、東海道貨物支線の貨客併用化など鉄道アクセスの改善に向け、積極的な取組を推進すること
  3. 「神奈川口」対象エリアにおけるまちづくりについて積極的な支援を図ること

3 都市再生予定地域設定による取組みの推進
(都市再生本部・国土交通省)

 平成14年10月、都市再生本部により「京浜臨海都市再生予定地域」が設定され、平成15年6月には、国及び神奈川県、横浜市、川崎市などからなる「都市再生予定地域協議会」において、(1)基盤関係では、臨海部幹線道路の整備、親水・防潮護岸の整備、川崎駅〜南渡田周辺地区〜塩浜周辺地区の鉄道のあり方など、(2)土地利用関係では、港湾機能の再編と、新しい地域像・産業像に対応した土地利用の方向付け、(3)その他、広域的な交通ネットワークの形成などについてのとりまとめが行われ、臨海部幹線道路の整備や川崎アプローチ線の整備に向けた検討等については、必要なインフラとして早急に取り組むものとされたところです。

 都市再生予定地域協議会の決定は、京浜臨海部における都市再生に対し国と関係自治体が連携して取り組んでいくという大きな第一歩であり、大いに意義のあるものと考えておりますが、この取組みを確実に都市再生に結びつけるために、次のことについて、特段の御配慮をお願いいたします。

  1. 都市再生緊急整備地域における民間プロジェクトに対する積極的な支援を行うこと
  2. 都市再生予定地域協議会のとりまとめにおいて早急に取り組むものとされた臨海部幹線道路や川崎アプローチ線等の基盤整備などに対する国費の重点的な配分を行うこと

4 道路交通網の整備促進
(国土交通省)

 首都圏の各都市との連携を図るとともに、工場や物流産業の立地等、民間活力の誘発や、基幹的広域防災拠点のネットワーク化を図り、災害に強い都市構造を構築するため、次の広域的な道路交通基盤の整備促進について、特段の御配慮をお願いいたします。

  1. 神奈川方面からの羽田空港へのアクセスの改善や東京臨海部等との連携に資する道路について、国において整備を図ること
  2. 川崎縦貫道路(T期区間)を早期に整備すること
  3. 横浜環状北線の整備を促進するとともに、横浜環状北西線の早期事業化を図ること
  4. 一般国道357号の未着手区間の事業に着手すること

5 基幹的広域防災拠点の整備促進
(都市再生本部・内閣府・消防庁・文部科学省・国土交通省)

 「首都圏広域防災拠点整備協議会(第5回)」において、東京湾臨海部における基幹的広域防災拠点の整備箇所として、川崎市東扇島地区は緊急整備を行う地区として、浮島地区は東扇島地区と連携した活用などを今後検討する地区として決定され、平成16年1月及び8月には「東京湾臨海部基幹的広域防災拠点整備基本計画」が決定されました。

 この基幹的広域防災拠点は、首都圏の防災性の向上だけでなく、緑地整備による憩いの場の創出や防災施設などと連携した施設整備により、京浜臨海部の活性化に大きなインパクトを与えるものと考えております。

 そこで次のことについて、特段の御配慮をお願いいたします。

  1. 国のリーダーシップにより早期に整備するとともに、整備にあたっては、京浜臨海部の活性化につながるよう、平常時の有効利用に十分配慮すること

6 京浜臨海部の産業活性化方策への支援
(経済産業省・国土交通省)

 京浜臨海部では、これまで蓄積された、ものづくり技術や環境技術を活かしつつ、既存産業の高度化や新規成長分野への転換、新産業の創出などによる再生と我が国経済の活性化への貢献が求められています。

 そこで、大規模な工場跡地・低未利用地を活用した研究開発拠点の形成や新産業(ナノテクノロジー、ロボット、ゲノム・バイオ関連、エコ産業、新エネルギーなど)の創出・集積をはかるため、次のことについて、特段の御配慮をお願いいたします。

  1. 国際的な研究開発拠点を目指す「横浜サイエンスフロンティア」(横浜市鶴見区末広町地区)において、拠点形成にふさわしい公園・緑地等の環境整備への支援を行うこと
  2. 資源循環型産業の拠点形成を目指す「川崎エコタウン構想」に基づく、資源リサイクル施設整備及び臨海部企業の連携による地区のゼロ・エミッション化事業を支援すること
  3. 「国際レスキューコンプレックス(IRC)計画」の実現にむけ、国関連の研究機関の強化・移転若しくは新設を行うとともに、研究開発機関の外注費の10%を地元企業に発注するなど地域産業を活性化する仕組みを整備すること

7 工場跡地・低未利用地の有効活用促進施策の整備・充実
(経済産業省・国土交通省・都市再生本部)

 京浜臨海部では、今後も工場移転による跡地などが散在的に発生することが予想されるなかで、これらの土地を有効に活用した、新たな産業等の誘致や既存産業の高度化が望まれております。その実現にむけ次のことについて、特段の御配慮をお願いいたします。

  1. 工場跡地等の有効活用に向け、基盤整備などを推進する施策・制度の整備・充実を図ること
  2. 工場跡地等の有効活用の障害となっている土壌汚染対策費用などについて、現行の補助制度の拡充や新たな制度の確立などの調査・検討を進め、支援制度の充実・強化を図ること

平成16年11月29日 

神奈川県知事 

松 沢 成 文 

横浜市長 

中 田 宏 

川崎市長 

阿 部 孝 夫 



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