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規制緩和への取組み/H10.4.20共同要望書

工業等制限法の廃止及び大都市産業活性化の推進に関する共同要望

 我が国の産業・経済は、国際的な大競争時代の中で大きな変革期を迎えております。
 大都市圏においては、本格的な高齢社会の到来に備えて、地域経済活力の維持、地域での多様な雇用の場の創出が喫緊の課題となっており、特に、空洞化の進展による工業集積の崩壊が懸念されている製造業につきましては、その集積維持と再活性化が急務となっております。同時に、産学連携の強化による技術革新の促進と製品化機能の強化、大都市の集積・情報を活かした環境・医療福祉関連分野を初めとする新たな産業の創出・育成を図っていくことが求められております。
 このような大きな時代の転換期にあって、国におかれまして、平成10年度中に結論を得るべく工業等制限法の抜本的見直しに取り組まれていることは誠に時宜を得たものと拝察いたしております。

 工業等制限法は、「産業及び人口の過度の集中防止と都市環境の整備及び改善」を目的としておりますが、一貫して従業者数の減少している製造業が今日における人口集中要因でなくなっていることは明らかであります。さらに、法の制定時や改正当時は未整備であった工場公害防止関連の諸規制が格段に整備され、工場立地のルールは他の法令により担保されるに至っております。
 このように、同法の制度の枠組みの前提となっていた社会的情勢の変化が著しいことに加え、国土の均衡ある発展のために工業再配置政策を推進するうえでも、現在のように製造業の空洞化問題が顕在化し、経済のグローバル化とともに工場の海外展開も一般化している状況下では、国内における規制的手法には限界が見えています。また、大都市における「ものづくり機能」、基盤的技術産業の存続が危ぶまれている今日、製造業の芽を摘むようなことがあってはならないものと考えます。

 さらに、工業専用地域など工業系の用途指定がなされている地域にも一律に同法の規制が課せられているために、工業専用地域でありながら工場用地として土地を売却できず、企業の経営改善・事業再構築のためのリストラクチャリングの障害となる事例も散見されるところであります。また、住工混在問題の解消のために内陸部(制限区域外)から臨海部への工場の移転集約を図ろうとしても工業等制限法の存在によって実現困難となるなど都市環境の整備・改善という法本来の目的と齟齬を来すような事態も発生しております。このような規制の実態は大競争時代における業界再編、外資系企業の立地など、ダイナミックな産業活動に水をさすものであるとともに、都市計画法との矛盾は、地方自治体のまちづくり・地域づくりを阻害する側面も有しております。

 従いまして、今般の工業等制限法の抜本的見直しに際しては、廃止を目標に置いて取り組まれることを要望いたします。

 また同時に、我が国経済の活性化のためには、大都市の産業・情報集積、技術の蓄積等を活かしながら、これからの新産業を創出していくことが重要な課題の一つとなっており民間企業の活発な産業活動や新たな研究開発活動の展開が重要となっております。
 今日求められているのは、規制から誘導へ、公共主導から民間活力支援へと基本的スタンスを移した新たな枠組みであることを踏まえ、都市環境と調和した新たな産業活動や教育・研究活動の促進が図られるよう、民間の主体的取り組みを誘導するための大都市整備の新フレームの制度化に向けて、御尽力のほどをお願いいたします。
 特に、今年夏頃に中間とりまとめが予定されている次期首都圏基本計画には、国際的な新産業の創造地域として京浜臨海部を初めとする京浜地域を位置づけるとともに、都市環境等を配慮した望ましい産業地域への誘導策、産業活性化支援策、都市基盤整備促進策の導入・確立を図られるよう要望いたします。

平成10年4月20〜22日 

 内閣総理大臣 橋本 龍太郎 様

 国土庁長官 亀井 久興 様

 国土審議会首都圏整備特別委員会計画部会長 伊藤 滋 様

 総務庁長官 小里 貞利 様

 規制緩和推進委員会委員長 宮内 義彦 様

 規制緩和推進委員会主査 岩田 規久男 様

 地方分権推進委員会委員長 諸井 虔 様

 地方分権推進委員会地域づくり部会長 成田 頼明 様

 地方分権推進委員会行政関係検討グループ座長 西尾 勝 様
 

神奈川県知事 岡崎 洋

横浜市長 高秀 秀信

川崎市長 高橋 清

社団法人神奈川経済同友会代表幹事 田中 敬

社団法人神奈川経済同友会代表幹事 濱田 庄平

社団法人神奈川県経営者協会会長 古宮 敬一

横浜商工会議所会頭 對馬 好次郎

社団法人横浜市工業会連合会会長 岩宮 浩

京浜工業地帯再整備推進地区協議会連合会会長 篠崎 慶幹

川崎商工会議所会頭 永井 益治郎

川崎市工業連絡会会長 宗廣 國雄

川崎市工場振興連合会会長 伊藤 満

川崎南工場振興会会長 寺尾 巖

社団法人川崎中原工場協会会長 三木 斉

協同組合高津工友会理事長 伊藤 満

日本労働組合総連合会神奈川県連合会会長 金子 正昭

日本労働組合総連合会神奈川県連合会横浜地域連合議長 金巻 孝

日本労働組合総連合会神奈川県連合会川崎地域連合議長 小西 正典


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